韓ドラ「最高の一発」を見て

今回は韓ドラ「最高の一発~時空を越えて~」の感想を。

www.kandra.jp

 

このドラマは、もともとユン・シユンが大好きなのも相まって、とにかく自分のツボに最高にはまるドラマ笑!初めて見た2020年以降、Gyao!で見られるようになった時にはついつい見てしまい、この夏も結局通しで全て見てしまって3回は見たことになるので、そろそろ感想を残しておこうと思う。(ストーリーは見ている前提での感想です。)

 

まずストーリーの好きなところについて。と思ったけれど登場人物それぞれへの感想が沢山あるので、それぞれの人物への思いを書き綴ってみる。

 

まず初めにジフンについて。

ジフンはドラマ前半では、大体何でも出来るのに、それゆえに何にもなりきれない、という姿が見ていてもどかしかった。アイドルにはもう少しでデビュー出来そうなところで選ばれない。しかもアイドルになりたいという夢は家族に反対され言えずにいる。そして恋愛面では、小さい頃から好きな幼馴染のウスンにずっと友達としてしか見てもらえず、それゆえに過去の告白もことごとく失敗している。

そんな時にユン・シユン演じるヒョンジェが現れる。いつの間にかウスンはどんどんヒョンジェ(タボン)と仲良くなっていってしまって、最終的にウスンをヒョンジェに取られてしまうのも、見ていて悲しい。

でも、そんなジフンもドラマの後半では、付き合えなかったとはいえウスンにどんどん思いをしっかり伝えるようになったし、アイドルへの夢についても、今まで育ての親として慕ってきたグァンジェにデューさせてもらう道を自身で切り開くしで、前向きに進んで人生の歯車がようやく上手く動き出した。という感じがしたのは見ていて救われて良かった~という気持ちだった。後悔しないように行動し始めた、というところが良かった。

ジフンのシーンで一番好きなのは1話目のおまけの一発のところ。ウスンの彼氏がウスンの親友と浮気していたことが発覚した警察署で、ダンスする振りをしてその彼氏を殴るシーン。ジフンがウスンが好きなことが十分こちらに伝わってくるシーンだったし、爽快感がある感じで第2話へ向かうところから、このドラマ絶対好きだ~~!笑ってワクワクさせてくれた!

 

次は、そんなジフンが好意を寄せていたウスンについて。

ウスンも、ジフンと同じように、というよりもそれよりも辛い人生を送ってきている。母親は幼い頃から離婚を繰り返し、ウスンはそれに振り回され母親を信頼しておらず、頼れる家族もいない状態。

更に先ほど書いたように親友だと思っていた友達には彼氏を奪われ、彼氏・親友の両方を同時に失ってしまう。そして公務員試験では、試験前に食べたタボンが1993年から持ってきたお菓子が原因でお腹を壊してしまい途中退場。1年間の努力が水の泡となってしまう。

ウスンはめちゃくちゃ明るくてハキハキしているキャラで、かつ、少しぶっ飛んでいるところがあって笑、可愛かった。上手くいかないことが多いのはジフンと同じだけれど、ジフンと違うのは、上手くいかないことがあると、「私の人生はこんなもんなのよ」という感じで自分の人生を既に諦めてしまっている節があるところ。

普段ハキハキしているキャラゆえに、さっぱりと、その不幸をすんなり受け入れてしまうことに慣れてしまっているところが余計悲しかった。

ウスンについてはそうやって不幸をすんなり受け入れているシーンも切なさがあって好きだったし、居候させてもらっていた彼氏を奪った親友の家を出るときに、何でも半分は私のものだから持っていく!とくまのぬいぐるみやPCまで真っ二つにするような、ぶっ飛んでいるシーンも良かった。笑



ここから、年代が上がってグァンジェへ。

グァンジェは、2017年では、20年前に消えたヒョンジェのせいで事務所の経営が傾いたまま現在に至り、金銭的にギリギリの生活を送っている。そのせいで、本当は好きなボヒにもずっと何も出来ずにいる。

経営を立て直すためや、ボヒの希望を叶えるために過去にお世話になった業界の色々な人に頭を下げて、なんとか仕事を取ろうと奮闘するし、そこでボヒが失敗してしまっても決して責めずに励ます。

ドラマ後半でジフンにグァンジェが経営する事務所、ワールド企画でデビューさせて欲しいと言われると今まで以上に資金繰りのために駆け回るし、移籍してきたMJの、今まで作詞作曲を実はしていなかったという事実を早く打ち明けたい、という本人の希望も事務所に不利であっても受け入れてあげるし、とにかく人思いな所が伝わってきた。

今のだめだめな生活の元凶となったヒョンジェが突然20年ぶりに現れてもなんだかんだ協力してくれるし、こんなに優しい人が近くにいたら皆頼ってしまうよなぁ~と思った。

でもそれゆえに皆のために行動するグァンジェも幸せになってほしい!と毎回思ってしまうので、最後にボヒと無事結婚出来たところはホッと安心した。

スンテ社長の話にもなるけれど、グァンジェのシーンで好きなところは、15話の認知症が進んでしまって道に迷い警察に保護されたスンテ社長を迎えに行くところ。近くにいるボヒ、そしてスンテ社長に対して何も出来ていない自分の情けなさがあふれてるんだろうな~とぐっと込み上げてくるものがある。でもそんなグァンジェに対してスンテ社長は、グァンジェを見てホッとした。と言う。ヒョンジェも20年後に突然やってきたとき、グァンジェに会えて安心したことを伝えているし、本人は自覚していないけれど十分皆に安心を与えてくれているグァンジェは本当に良いやつ!!だった!笑

 

続いて、グァンジェと共にヒョンジェ失踪後の人生を歩んできたボヒについて。

ボヒはドラマ前半、自身がアイドルとして一番売れていた20年前から時が止まったような感覚でいて、まだまだ自分もやれば出来る!と思っている世間ずれしているところがちょっと痛い笑。けれど、グァンジェが取ってきてくれたラジオや、歌番組の仕事ではなんとか事務所のためになろうと健気に頑張るものの、ことごとく失敗してしまうところは、哀しくて応援したくなった。好きなシーンは、1話目のそのラジオ番組の収録で失敗した後にグァンジェと車で帰るところ。窓の外を見ながら、全部申し訳ないと思っている、と謝るところで流れている「Sky」というBGMがシーンにすごくあっていて切なさを倍増させてきて良い。

1話目のこのシーンを見て、若いジフンとウスンの奮闘だけでなく、ヒョンジェと本来同い年だけど、ヒョンジェのせいで取り残されてしまったというか、上手くいかないままずるずると年を取ってしまった二人の奮闘もこのドラマでは結構出てくるんだなというのが伝わってきた。そしてそれが良いなと思った。年を取った人は皆それなりの安定した生活を送っている訳ではなくて、ある時から止まって進めずにいる人もいるんだよなっていうのが伝わってきて、自分が感情移入して考えすぎかもしれないけれど笑、そのあたりのメッセージ性に私はぐっと来てしまった。

 

ここまですごく長くなってしまったけれど、最後に主人公ヒョンジェについて!!

今まで書いたジフン、ウスン、グァンジェ、ボヒは全員上手くいかない日々を送っている。そんな中でただ一人、全てが上手くいっていたヒョンジェ。実際、20年後にタイムスリップしてきても結局なんだかんだ上手いこと過ごしていて一人底抜けに明るく、とにかく憎めない。

ジフンには毛嫌いされつつも、ヒョンジェ自身は誰のことも本気で憎まず(20年前ユニット「JAY-2」を一緒に組んでいたヨンジェは少し例外的に憎んでいるかもしれないけど笑)、というか気にせず、皆と距離を縮めようとし続ける。図々しく感じるかもしれないけれど、結局なんだかんだ皆にそういう部分が伝わっていったんだろうなと思う。20年後に来たから目に見えるすべてのことが真新しく、反応も可愛くて、ただいてくれるだけで見ていて癒されるな~という感じだった笑。他のみんなが上手くいかない日々を送っているからこそ、そこに明るいヒョンジェがいることがアクセントになっていた。

話は少し変わって、10話のグァンジェのセリフ「人っていうのは持って生まれた器がある。俺は生まれ変わってもお前みたいにはなれない。いくら努力してもできないんだ」(このセリフ、好き笑)の通りヒョンジェだけ登場人物の中で唯一天才的な才能がある。ショッピングモールで行われていたダンスコンテストで優勝最有力候補だったジフンを抜いて優勝してしまうところにはジフンが、スター天国でのインターンシップで失敗ばかりしてしまう所を何度も助けられてウスンが、その才能を羨むけれど、そんな天才的なヒョンジェは決して2017年を生きる皆を見放さなず、皆を助けようと努める。このあたり、ヒョンジェも根が悪いわけではなく、2017年のグァンジェ・ボヒらの生活がヒョンジェのせいで暗くなってしまっているのも、何か理由があるんだろうなと思わせてくる。

ただ、そんなヒョンジェも、ドラマの超後半では他の皆が軌道に乗り始めたころ、反対に自分は今この2017年でウスンと恋愛していて良いのか?と悩み始める。でも結局、2017年を生きる皆と一緒に生きていくことを選択する。最後に20年前にもう一度タイムスリップ出来たとき、1994年を生きるヒョンジェに一緒に20年後に行って病気を治そうと伝えるものの、1994年のヒョンジェはそんなことをせず自分はこの時代を生きていたい。と言う。1994年を生きるヒョンジェは間違いなくその時代を駆け抜けていたからこそその時代で死にたいんだろうなと。でも1993年の主人公ヒョンジェは20年後のみんなと生活してしまったからこそ、今のヒョンジェが出来上がっていて、過去から離れていったというか。まあどちらのヒョンジェも自身の希望通りに進めて良かったのかなと。



ここまで登場人物ごとの感想をまとめてみたけれど、ストーリーについては、全体的にとにかく”切ない”要素だらけだった。出てくる人みんなが悩みを抱えていて、中々上手くはいかない日々を送っている。そこが、ドラマだけれど実際の上手くいかない現実に寄り添ってくれている感じがして、私は好きになったのだと思う。

まあヒョンジェが1993年のヒョンジェと1994年のヒョンジェと2人居る部分は。少し辻褄が合わないような気がしてしまうけれど、そういう細かいところは考えないようにしようという感じ。笑

 

そして、音楽も全部良かった!先ほど挙げた切ない部分で流れる「Sky」と、「If you」は特に、切ないシーンにすごくマッチしていたし、オープニングの曲はすごくドラマの始まりをワクワクさせてくれた。

 

更にドラマの好きだった部分は、毎回最後に”おまけの一発”があったところ。話が終わり、見終わった~って時に、話の前半とか途中で出てきたシーンの裏側が出てきて、そんなことが起こってたのね!とクスっと笑えたり、切なさが増したり、感情的に最後にまた興奮させられて次回予告に入る感じで、次が早く見たいというテンションにしてくれた。

このおまけの一発的な演出、前に日本のドラマ「着飾る恋には理由があって」でもあったんだけどやっぱり良くて。全ドラマでこのシステム採用してくれたらいいのに笑とか思ってしまう。

 

そして最後にユン・シユンの良いところについて!!!笑

まず、前半のヒョンジェ時代は特徴的な髪型で、それがまた明るいキャラの雰囲気にすごくあってて良かった。前半のヒョンジェ、というよりタボン笑は、見るもの全てに驚くし、特に欲しがるスマホを見つめているところとか、可愛すぎて最高だった。最初は食べ方が分からなかった三角おにぎりが大好きになる下りも面白かった。

ウスンにもうつってしまった「タボン!」という口癖も、こちらまでついつい真似したくなる感じで良かったなぁ~。

そして、8話目で美容院から出てきて2017年風の髪型に変わって出てくるシーンは、ドラマの演出の通りドキッとするし、格好良かった。あ、もう前の髪型は見れなくなっちゃったのかっていう悲しみもあったけど、めちゃくちゃ好みの髪型になったから良いかとは思ったり笑。ヨンジェの事務所スター天国で謎の総括プロデューサーとして働いているところも、何でもこなせてしまう仕事での顔と、プライベートの超お茶目な顔にギャップがありすぎて、こんな人本当に居たらカッコよすぎるだろ!という感じだった笑

そして髪型の話に戻るけれど、最終話では1994年のヒョンジェが出てきて、そこで久々にドラマ前半の髪型も最後に見れて悔いなし!という感じだった。笑

 

最後に小ネタとして、ヒョンジェの1990年代回想シーンでデビューする名前をスンテ社長が考えているシーンで、スンテ社長が”ジュニョク”はどうだ?と尋ねるところがある。そこでそんなダサい名前は嫌だとヒョンジェは返すのだけど、ここでハイキック大好きだった私はハイキック時代のユン・シユンの役名”ジュニョク”が出てきたことにびっくり&嬉しかった。そこでドラマについて調べたところ、最高の一発と、明日に向かってハイキックの脚本家が同じだったことを知り、あ~これは自分がハマるのは仕方ないなと思いました笑



ということでとってもとっても長くなったけれど!、残しておきたい感想はほぼ!残せた気がする笑

本当に大好きなドラマ!また次見れるようになるそのときまでしばしのさよなら!